2018年度(第31回)社会福祉士国家試験過去問解説 第81問 日常生活自立支援事業

問題81 日常生活自立支援事業の利用等に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。


1 成年後見人による事業の利用契約の締結は,法律で禁じられている。
2 法定後見のいずれかの類型に該当する程度に判断能力が低下した本人が事業の利用契約を締結することは,法律で禁じられている。
3 実施主体である都道府県社会福祉協議会は,事業の一部を市区町村社会福祉協議会に委託することができる。
4 実施主体である都道府県社会福祉協議会は,職権により本人の利用を開始することができる。
5 契約締結に当たって,本人の判断能力に疑義がある場合は,市町村が利用の可否を判断する。


引用元: 第31回(平成30年度)社会福祉士国家試験 試験問題

日常生活自立支援事業

例によって、厚生労働省のホームページの説明がわかりやすくまとめられています。日常生活自立支援事業、と言うと、いまいちイメージがわきませんでしたが、実際に内容を見てみると、”あれのことか!”と、自分の中では納得ができました。

預金の払い戻し、預金の解約、預金の預け入れの手続等利用者の日常生活費の管理(日常的金銭管理)
定期的な訪問による生活変化の察知

出所: 厚生労働省のホームページ

私は以前認知症高齢者の支援をしていましたが、金銭管理を社協のサービスで行っている方がいらっしゃいました。それが、この日常生活自立支援事業だったわけです。ということで、実施主体は社協となりますね。社協については、過去に触れていますので、そちらもこの機会に復習してみましょう。

日常生活自立支援事業は第二種社会福祉事業

第二条 この法律において「社会福祉事業」とは、第一種社会福祉事業及び第二種社会福祉事業をいう。
(略)
3 次に掲げる事業を第二種社会福祉事業とする。

(略)
十二 福祉サービス利用援助事業(精神上の理由により日常生活を営むのに支障がある者に対して、無料又は低額な料金で、福祉サービス(前項各号及び前各号の事業において提供されるものに限る。以下この号において同じ。)の利用に関し相談に応じ、及び助言を行い、並びに福祉サービスの提供を受けるために必要な手続又は福祉サービスの利用に要する費用の支払に関する便宜を供与することその他の福祉サービスの適切な利用のための一連の援助を一体的に行う事業をいう。)

出所:社会福祉法

日常生活自立支援事業は社会福祉法において、第二種社会福祉事業として規定されています。社会福祉事業についても、過去に触れていますので、復習しておきたいところです。社会福祉士試験は、一見範囲が広いようで、実際にやっぱり広いのですが、同じ事柄を多くの科目で扱っていますので、その辺りをうまく連携して学習できると効果的だと思います。

事業実施主体は社会福祉協議会

第八十一条 都道府県社会福祉協議会は、第百十条第一項各号に掲げる事業を行うほか、福祉サービス利用援助事業を行う市町村社会福祉協議会その他の者と協力して都道府県の区域内においてあまねく福祉サービス利用援助事業が実施されるために必要な事業を行うとともに、これと併せて、当該事業に従事する者の資質の向上のための事業並びに福祉サービス利用援助事業に関する普及及び啓発を行うものとする。

出所:社会福祉法

当該事業の実施主体は、都道府県で、市町村に委託して実施することとなっています。したがって、正答は

  3 実施主体である都道府県社会福祉協議会は,事業の一部を市区町村社会福祉協議会に委託することができる。 

こちらの、選択肢3となります。

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