2018年度(第31回)社会福祉士国家試験解説 第35問 社会福祉協議会の活動

問題 35

社会福祉法に規定されている社会福祉協議会の活動などに関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。


1 市町村社会福祉協議会は,市町村地域福祉計画と一体となった地域福祉活動計画を策定するとされている。
2 市町村社会福祉協議会は,区域内における社会福祉事業又は社会福祉に関する活動を行う者の過半数が参加するものとされている。
3 市町村社会福祉協議会は,主要な財源確保として共同募金事業を行っている。
4 市町村社会福祉協議会は,「社会福祉事業」よりも広い範囲の事業である社会福祉を目的とする事業に関する企画及び実施を行う。
5 都道府県社会福祉協議会は,広域的見地から市町村社会福祉協議会を監督する。

引用元: 第31回(平成30年度)社会福祉士国家試験 試験問題

”社会福祉法に規定されている”という前提なので、社会福祉法をチェック

この問題ですが、選択肢1~4までが市町村社会福祉協議会は、で始まり、選択肢5のみ、都道府県社会福祉協議会は、で始まります。そこで、まずは都道府県社会福祉協議会についてみていきます。

第百十条 都道府県社会福祉協議会は、都道府県の区域内において次に掲げる事業を行うことにより地域福祉の推進を図ることを目的とする団体であつて、その区域内における市町村社会福祉協議会の過半数及び社会福祉事業又は更生保護事業を経営する者の過半数が参加するものとする。
一 前条第一項各号に掲げる事業であつて各市町村を通ずる広域的な見地から行うことが適切なもの
二 社会福祉を目的とする事業に従事する者の養成及び研修
三 社会福祉を目的とする事業の経営に関する指導及び助言
四 市町村社会福祉協議会の相互の連絡及び事業の調整

引用:社会福祉法

都道府県社会福祉協議会は、市町村社会福祉協議会の監督は社会福祉法に位置付けられていない。

選択肢5の、”広域的な見地”というのは、漢数字一のところに出てきますね。” 前条第一項各号に掲げる事業であつて各市町村を通ずる広域的な見地から行うことが適切なもの ”ということですが、これは、社会福祉法第109条に定められた、市町村社会福祉協議会の行う事業の内容を、県も”広域的な見地から”実施しますよ、と書いてあります。その他の内容を見ても、どこにも”市町村社会福祉協議会を監督する”とは書かれていません

なんとなく、市町村と県の関係は、県が上で市町村を管理するのかな?というイメージを持ちがちですが、少なくとも法律上ではそうなっていないので注意が必要です。これは良いひっかけですね?選択肢5は誤り。

迷ったら無難な内容を選べば正解できるかも?

選択肢を4個に絞ったところで、再び社会福祉法を見ていきましょう。

第109条は、市町村社会福祉協議会についてです。先の110条と似ていますね。漢数字の一、” 社会福祉を目的とする事業の企画及び実施 ”が事業内容ということですので、 これに照らすと、選択肢 4 ”市町村社会福祉協議会は,「社会福祉事業」よりも広い範囲の事業である社会福祉を目的とする事業に関する企画及び実施を行う。”が正当です。

第百九条 市町村社会福祉協議会は、一又は同一都道府県内の二以上の市町村の区域内において次に掲げる事業を行うことにより地域福祉の推進を図ることを目的とする団体であつて、その区域内における社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者が参加し、かつ、指定都市にあつてはその区域内における地区社会福祉協議会の過半数及び社会福祉事業又は更生保護事業を経営する者の過半数が、指定都市以外の市及び町村にあつてはその区域内における社会福祉事業又は更生保護事業を経営する者の過半数が参加するものとする。
一 社会福祉を目的とする事業の企画及び実施
二 社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助
三 社会福祉を目的とする事業に関する調査、普及、宣伝、連絡、調整及び助成
四 前三号に掲げる事業のほか、社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図るために必要な事業

引用:社会福祉法

選択肢2は間違えやすくて、

誤 社会福祉事業又は社会福祉に関する活動”

正 社会福祉事業又は更生保護事業を経営する者の過半数

これは、いやらしい引っ掛けですね。

ちなみに、”社会福祉事業”というワードが出てきています。これは問題30の解説のところでも触れましたが、しっかりと覚えておくべき内容かと思います。是非復習しましょう。

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