2018年度(第31回)社会福祉士国家試験解説 第34問 被災者支援

問題34

 社会福祉協議会に配置された生活支援相談員による仮設住宅の入居者等の被災者を支援するための取組に関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
震災後に設営されたN町の仮設住宅では,社会福祉協議会を通して,ボランティアを受け入れ,入居者へイベントや会食会などによる支援を行ってきた。1 年がたった頃から,ボランティアが主催する行事への参加者も少なくなってきた。そこで,生活支援相談員が入居者に尋ねたところ,一部の入居者から自分たちが集うアイディアを持ち掛けられた。


1 入居者のアイディアをボランティアに伝えて,生活支援相談員とボランティアとで行事を企画した。
2 アイディアを出した入居者とボランティアとの懇談会を開き,行事などの企画を一緒に考えた。
3 住民懇談会を開催し,入居者が自立して自ら交流すべきであると訴えた。
4 入居者同士の日頃の交流状況を把握するため,聞き取り調査を入居者有志と実施した。
5 アイディアを出した入居者に交流は任せて,安否確認の個別訪問活動に専念することにした。

引用元: 第31回(平成30年度)社会福祉士国家試験 試験問題

事例問題=ボーナス問題

事例問題です。社会福祉士試験における事例問題は、ほぼボーナス問題と言っていいと思います。なぜなら、”常識的な回答を選べば、基本的に正答できる”からです。

さて、この問題については”適切なものを2つ”選ぶ問題です。言い換えれば、不適切なものを3つ選ぶことができれば正答です。この手の事例問題は、たいてい極端な選択肢があり、それをつぶしていくことで正答が消去法で選べるようになっていることが多いです。

例えば、選択肢5。” アイディアを出した入居者に交流は任せて,安否確認の個別訪問活動に専念することにした。 ” ・・・常識的に考えて、無責任すぎませんかね。

選択肢3も、よく考えれば(考えなくとも?)おかしいですね。 ”入居者が自立して自ら交流すべき ”というのは、あるべき姿かもしれませんがそれを押し付けても仕方がないのでは・・・。

ある程度まで絞ったところでちょっと考える

選択肢1,2、4まで絞れたところで、選択肢1を見てみます。

” 入居者のアイディアをボランティアに伝えて,生活支援相談員とボランティアとで行事を企画した。”一見すると、良さそうな気もしますが、選択肢2と比較してみましょう。選択肢1では、一部の入居者からのアイディアを、相談員とボランティアだけで実行しています。対して、選択肢2では入居者、相談員、ボランティアの3者が、まず企画を検討してみよう、という話になっていますね。1と2を比べ、どちらがより良いか?と考えたら、2のほうが良いのではないでしょうか。

選択肢4は、あたりさわりがない内容かと思いますが、特に不適切とは言えないと思います。1と2で比べ、1をつぶせるので、4を消去法で選びます。

極端、性急に結論を出すような選択肢はたいてい誤り、

選択肢4のように、ふわっとした内容は選びにくいかもしれません。消去法で明らかな誤りをつぶしていくのが、正答への近道と心がけると事例問題はほぼ間違えなくなると思います。

  • X

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です