2018年度(第31回)社会福祉士国家試験過去問解説 第149問 更生保護の機関と就労支援及び福祉機関・団体との連携

問題149 更生保護の機関と就労支援及び福祉機関・団体との連携に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。


1 生活困窮者自立支援制度は,更生保護対象者には適用されない。
2 地域生活定着支援センターは,法務省により設置されている。
3 公共職業安定所(ハローワーク)の職員は,保護観察所に所属して就労支援を行っている。
4 協力雇用主には,対象者の身分や前歴等を知らせずに協力してもらっている。
5 公共職業安定所(ハローワーク)には,刑務所出所者等を対象とした就労支援メニューがある。

引用元: 第31回(平成30年度)社会福祉士国家試験 試験問題

復習的な要素もある問題

生活困窮者自立支援制度、 地域生活定着支援センター 等、再確認をこの機会にしておきたい内容ですね。
初出で、更生保護で覚えておきたいのは、協力雇用主について。
まず更生保護制度については、法務省のHPを見ると大体の流れがつかめるようになっていますので、是非ご一読をオススメします。
その中に、協力雇用主についてのパンフレットがpdfで掲載されていますので、こちらのページから、確認してみてください(pdfへの直リンクは自粛します)
協力雇用主は年々増加傾向にあり、2019年実績では22,000社にのぼりますが、実際の雇用に繋がっているケースは950社くらいとのことです。
(協力雇用主は減少傾向で・・・みたいな問題は有りそうと言うか、出題狙われそうなポイントですね。)

協力雇用主になるためには保護観察所への登録が必要になります。したがって、

4 協力雇用主には,対象者の身分や前歴等を知らせずに協力してもらっている。

このような事は有り得ないでしょう。

1 生活困窮者自立支援制度は,更生保護対象者には適用されない。

生活困窮者自立支援制度は、生活保護の手前のセーフティネットとなりますが、保護観察に付されている事が欠格事由となるわけでは無いです。

2 地域生活定着支援センターは,法務省により設置されている。

地域生活定着支援センターは、矯正施設からの出所後ただちに福祉サービスを受給する必要が有る者(障がい者や高齢者)の、橋渡しをするサービスで、入所中からコーディネートや、入所後のフォローアップ等をする事業です。
福祉寄りの性格を持っていることからわかるように、所轄は厚生労働省です。

3 公共職業安定所(ハローワーク)の職員は,保護観察所に所属して就労支援を行っている。

常識的に考えたら、これは”無いな”という感じですね。選択肢5との引っかけでしょうね。

5 公共職業安定所(ハローワーク)には,刑務所出所者等を対象とした就労支援メニューがある。

消去法でこちらが正答。

ハローワーク等と連携した支援対策の実施
 平成18年度から法務省と厚生労働省との連携により,「刑務所出所者等総合的就労支援対策」を実施しています。これは,矯正施設,保護観察所及び公共職業安定所等が連携する仕組みを構築した上で,矯正施設入所者に対して,公共職業安定所職員による職業相談,職業紹介,職業講話等を実施しています。また,保護観察対象者等に対しては,公共職業安定所において担当者制による職業相談・職業紹介を行うほか,(1)セミナー・事業所見学会,(2)職場体験講習,(3)トライアル雇用,(4)身元保証等の支援メニューを活用した支援を実施しています。

出所:法務省HP

冒頭でも書いたとおり、 法務省のHP を読むと更生保護は理解が深まると思います。是非ご一読ください。

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