公認心理師国試Gルートから合格するための勉強法
最近、公認心理師情報を求めてHPを閲覧される方が非常に増えています。そこで、僕なりの試験対策、とりわけGルートの勉強の仕方を記事にしてみました。
公認心理師試験に実際にチャレンジして感じたこと
以前ご報告したとおり、第二回公認心理師国家試験に挑戦して、残念ながら不合格となりました。
合格できなかった、という事実は動かせませんが、肯定的に考えるならば、5ヶ月程度の勉強で、残り3点まで肉薄できた、というのは自信を持っていいのではないか?一矢報いたと言っていいのではないだろうか?と考えています。
クヨクヨしていても仕方ないので、今後受験を見当されている方の参考になればと思い、実際に私が取り組んだ試験対策と、試験についての考察、そして今後の学習計画について記していきたいと思います。
心理学の初学者でも、合格することは可能
いきなり大きく出たというか、不合格の人間が言っても説得力はありませんが、心理学について全くの初学者であっても、公認心理師国試の突破は可能だと思います。第二回試験は、第一回や北海道追試験に比べ、難易度があがったと言われています。難易度上昇の根拠として、合格率推移を見ると、第一回試験79.6%から、第二回試験では46.4%と激減しており、確かにこの数字だけ見ると、難易度はアップしたと言えそうです。
合格発表者の内訳をよく見てみると、第一回試験では合格者全体に占めるGルートの割合は43.7%であるのに対し、第二回試験では60.1%となっています。第一回試験で、臨床心理士ホルダーほか、院卒の方はあらかた合格してしまい、2~5回試験については現任者の受験割合がより多くなっていくのではないかと推察されます。一方Gルートは第一回試験73.4%と、まずまずの合格率ですが、第二回試験では41.8%となっており、全体の合格率を下回っています。より突っ込んだ表現をするなら、Gルート受験者が全体の合格率を引き下げていると言えるでしょう。Gルートにとって厳しい結果となっています。
昨年の第一回試験でGルート73%という数字を見て、「自分も国家資格取れるかも」と挑戦して、討ち死にしたという人が多いのかもしれません。
無勉強で臨んでは、勝算はゼロ
Gルート受験者の合格率が下がる理由は、下記が考えられます。
- 心理学についての知識が不足している
- 自分の得意分野(高齢者領域であれば認知症など)の領域で、不利を埋め切れない
心理学についてはしっかり勉強する必要がある
当たり前の話ですが、”公認心理師”に求められているのは心理の専門家としての職務です。
一 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること。
出所:公認心理師法第二条
二 心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
三 心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
四 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと。
試験対策で浴びるほど触れることになる公認心理師法ですが、国家資格の重みですね、やはり一朝一夕の勉強ではだめだと思います。
問13 多くの人がいると、一人のときにはするはずの行動が生じなくなる
引用:第二回公認心理師国家試験
傾向に関連する概念として、正しいものを1つ選べ。
① 社会的促進
② 集合的無知
③ 集団極性化
④ 情報的影響
⑤ 傍観者効果
例えば、上記問題はかなり簡単だと思います。公認心理師試験対策をしている人であれば、即答できるのではないでしょうか。ましてや、心理系大学院へ入学された方からしたら、ボーナス問題としか言えないような問題もかなり出題されているのが公認心理師試験だと思いました。
公認心理師とケアマネ試験の共通点
私はケアマネ資格を所持していますが、公認心理師試験は、ケアマネ試験に似ていると思います。ケアマネ試験は、同僚で幾人も毎年受験しては落ちている人たちがいました。ほとんど記念受験的に、全く勉強せずに当日試験に臨んでいたのです。気持ちはわからなくもありません。上司からは、試験受けるように!と指示され、一方で家庭があって、夜勤もあるため仕事が忙しく、やむなく受験する。受かったら良いな、と過去問をパラパラ・・・
断言しますが、ケアマネは無勉強での合格はほぼ不可能です。合格された方は同意していただけると思います。2018年試験は合格率10%程度の試験なので、勉強不足の人は容赦なく落としてくる試験です。
とにかく、公認心理師試験の突破にあたっては基礎心理学がしっかり理解できていないと勝負にならないと思います。
福祉分野出身者でも侮れない難問が出題される
問46 「就労継続支援B 型」について、正しいものを1つ選べ。
引用:第二回公認心理師国家試験
① 50 歳未満であれば対象となる。
② 一般就労のために必要な訓練が行われる。
③ 障害基礎年金を受給している者は対象とならない。
④ 障害者のうち、雇用契約に基づく就労が可能な者が対象となる。
就労B型についての問題です。福祉分野出身と言っても、通所介護の生活相談員でも受験資格は得られるわけですが、障害分野の経験がないと、この問題はなかなか厳しいのではないでしょうか。就労Bを利用するには様々な条件がありますが、その内容をしっかり理解していないと解けない問題だと思います。
とりわけいやらしいのが、選択肢2ですね。”一般就労に向けての訓練は就労移行支援だろ”と思って、不適切だとしてしまうと、実はこれが正解という・・・。
公認心理師にここまで、社会資源についての知識が必要なのだろうか?と思ったりもしますが、それはおいておいて、生半可な知識では太刀打ちできないと思います。心理系大学院卒の方は、この問題間違えても、心理学に関しての問題で合格点まで持って行けるのでしょうが、Gルートの方が”自分の得意分野でカバーしよう”は、なかなかうまくいかないと思います。やはり、王道?の心理学をしっかり勉強するのが合格への近道だと思います。
具体的な基礎心理学の学習方法について
宣伝みたいですが、実際の学習にあたっては、通信講座等を使うと良いと思います。私が実際に受講したのは、河合塾KALSです。18万円くらいしましたが、mp3音声ダウンロードで、通勤中の車の中で毎日聞きまくっていました。
不合格となってしまったとはいえ、来年こそは、と自信を持って再チャレンジしようと思えるのは受講の成果かなと思います。
あと、有名なのは京都コムニタスですね。僕は実際に受講していないので評価できませんが、現任者講習や、国試当日の会場外でチラシを配っていて、回答再現などでお世話になりました。
宣伝みたいですが、実際Gルートで心理学をしっかり学んだことがない人は、上記のような講座の受講は必須だと思います。無勉強でのぞむのはあまりにも無謀だと思います。
参考書で勉強する方法
公認心理師試験についての参考書も、たくさん出版されていますので、よりどりみどりだと思います。やり方は人それぞれだと思いますし、本は合う・合わないがありますから、いろいろ試してみるのも良いかもしれません。 闇雲に買っても結局読まないというのはありがちですが・・・・。
第三回公認心理師国家試験に向けての勉強法
第三回試験に初挑戦するよ、という方には、是非とも通信講座の受講をおすすめします。
KALSについてならば実体験をお話することができますので、コメント等でリクエストください。(宣伝ではないですよ、お金ももらえませんし)
僕は次回試験については、通信は申し込まないです。前回の音声をダウンロードしてあるので、聞き続けながら、本を買って勉強するつもりです。具体的には下記の対策をします。
過去問の解き直し
王道ですが、第二回試験の問題をもう一度解いて、解説をみながら理解を深めます。社会福祉士対策で現在やっていますが、これは効果高いです。ちなみに、第一回と北海道はすでに済ませています。それでも不合格なるんだから第二回は本当に難しかったと思います。残念ながら僕の力では解説することは難しいので、プロの解説を参考に勉強します。
ブループリントをチェックして、わからない用語をチェック
ブループリントの変更点は出題されやすいです。今年はアドヒアランスがしっかり(ちょっとですが)出題されて、やった!と思いました。しっかり対策していきたいです。
心理検査の内容、対象年齢等を覚える
正直言って、勉強はどこまでやってもキリが無いのですが、これはしっかりやっておこうかと。特に、新版K式発達検査、田中ビネー、ウェクスラーの対象年齢を問う問題は毎回出ていますので、ここはしっかり覚えておく必要があるな、と思います。WPPSIは2歳6ケ月から・・・とか。
本を使った勉強
これは具体的に下記の書籍を使ってみようと思います。
まずはこちら、精神診療プラチナマニュアル。すでに購入して読んでいますが、片手に収まるサイズで持ち運び便利。僕のスマホよりちょっと大きいくらいです。内容についてですが、公認心理師試験にはかなり使える内容となっています。DSM-5基準で、発達障害(頻出!)の解説、気分障害、パーソナリティ障害、統合失調症・・・あらゆる精神科領域の疾病を網羅しています。措置入院と言った精神保健福祉法の内容も入っており、これ一冊しっかり読み込めば、この領域に関しては完璧だと思います。何より、とてもわかりやすいです。これは受験者必携だと思います。
心理統計は毎回出題されますが、正直さっぱりわからず・・・まずはここから始めてみようと思っています。レビューは悪くないので、試しに読んでみて、また感想なども投稿してみようかな。
河合塾KALSの宮川先生が授業の中で紹介していた、心理学。図書館においてあるのを検索で発見したため、近日中に借りてきて、よかったら買おうと思っています。
放送大学で心理学の勉強
放送大学で、心理学の講義を行っていることを先日知りました。見るだけならタダなので、これを録画しながら見てみようと思います。奇しくも、講義は10月から始まるみたいですね。やはり、映像があるのは大きいと思います。また取り組んだ感想なども・・・。
次回は絶対合格!がんばるぞー
ということで、みなさんよろしくお願いします。おすすめの書籍などあれば教えてくださいね。
前を向いている人間は、自然と何もかもが前向きですね。
こんにちは。コメントありがとう御座います。自己成就予言はとても大切だと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
こんにちわ。今回、初めてGルートで公認心理師試験を受験します。ブログ主様は、河合塾の通信講座を受講されたようですが、「公認3講座セット 184,800円(基礎、専門、国試」を受講されたのでしょうか?
河合塾の通信講座については、河合塾独自のテキスト(紙媒体)も価格に含めているのでしょうか?
心理学は難しいですね。よろしくお願い致します。時々、見に来ます。
コメントありがとうございます。
私が受講したのは、18万円くらいのコースで、(基盤、専門、国試)に相当すると思われます。
テキストはついてきて、これがあれば合格レベルにはかなり近づけると思います(落ちましたが・・・)
講義音声をmp3でダウンロードできるのが、個人的にはとても良いですね。
基盤知識と、専門知識を毎日毎日、来る日も来る日も通勤の車の中で聞きまくってます。
公認心理師試験関係の記事はちょっと最近書いてませんが、今後ともよろしくお願いいたします。
はじめまして。河合塾の同じコースを今から申し込みます。まさに現在ノー勉で、このwebコースの勉強だけであと三か月、今年受けます。
そこで質問ですが、音声のダウンロードはどうやるのでしょうか?
サンプル動画のPCではできるのですが、ipadとiPhoneができません。
河合塾に聞いたところ、「できるはずなので自分でやってください」と言われ心が折れかかっています。
次年度受けることを考えると、音声で残しておきたいです。
よろしくお願いします。。