2018年度(第31回)社会福祉士国家試験過去問解説 第58問 障害者総合支援法の障害福祉サービス

問題58

 「障害者総合支援法」の障害福祉サービスに関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。


1 生活介護とは,医療を必要とし,常時介護を要する障害者に,機能訓練,看護,医学的管理の下における介護等を行うサービスである。
2 行動援護とは,外出時の移動中の介護を除き,重度障害者の居宅において,入浴,排せつ,食事等の介護等を行うサービスである。
3 自立生活援助とは,一人暮らし等の障害者が居宅で自立した生活を送れるよう,定期的な巡回訪問や随時通報による相談に応じ,助言等を行うサービスである。
4 就労移行支援とは,通常の事業所の雇用が困難な障害者に,就労の機会を提供し,必要な訓練などを行うサービスである。
5 就労継続支援とは,就労を希望し,通常の事業所の雇用が可能な障害者に,就労のために必要な訓練などを行うサービスである。
(注) 「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。


引用元: 第31回(平成30年度)社会福祉士国家試験 試験問題

障害者総合支援法のサービス種別 障害分野以外の人には馴染みがないかもしれません

この問題は、障害者総合支援法のサービスで、いわゆる日中活動系サービスと、訪問系サービスについての設問ですね。高齢者分野で働いている方には、なかなか馴染み憎い内容かも知れません。介護保険サービスには相当するサービスがない物もあります。

参考にするとわかりやすいのが、東京福祉保健財団が運営する、福ナビ(日中活動系サービス)(訪問系サービス)す。簡潔に記載がしてあるので、見比べるとこの問題を解くだけであれば、簡単に照らし合わせることができます。

選択肢4と選択肢5・・・説明が逆。選択肢4が就労継続支援、選択肢5が就労移行支援

選択肢1・・・療養介護の説明

選択肢2・・・重度訪問介護

選択肢3が正答です。

高齢者介護(介護保険)と障害者介護サービスの相違点

障害者総合支援法にしかない (介護保険には無い) サービスで、よく狙われるのは、就労継続支援と就労移行支援では無いでしょうか?例えば、40歳以上、65歳未満で脳血管疾患等による要介護状態となり、特定疾病として介護給付を受けることが可能ですが、訓練により就労が可能という方は、できれば就労機会を作りたいところです。そのような場合は、障害者総合支援法のサービスを使って就労継続支援または移行支援を利用し、訪問介護等は介護保険を使っていくということになります。

就労”移行”支援は、一般就労への移行を目指すための支援を行い、就労”継続”支援は、一般での就労が困難なので、就労機会をサービスとして提供し、就労をなんとか継続できるようにしていく、というサービスですね。この二つが名前も似ていて間違えやすいですし、現にこうして出題もされていますので、しっかり違いを理解したいですね。

また、就労継続支援にはA型とB型があり、直接雇用関係を結ぶのがA型、雇用契約が無いのがB型です。雇用契約を結ぶと言うことは、いわゆる地域別最低賃金の適用が必要ですから時給にして800円と言った金額を支給しないと行けません。したがって、作業何度は高い物が要求されます(よって、障害支援区分はより低い方が利用されます)。B型の平均工賃は、15,000円(出所:厚生労働省資料)で、時給は平均200円です。頭の片隅に置いておくと、想起の手がかりになるのでは無いでしょうか。

生活介護は、デイサービスに似ているサービス

生活介護は、介護保険のデイサービスに比較的似ています。朝お迎えに行き、食事・介護等サービス提供し、夕方また送迎するという点で、よく似ていますね。余暇活動の他、仕事をし、生産活動が位置づけられているのが大きな違いです。内職仕事などをして、利用者に給付するという点が違いますね。パンを作ったり、下請けの仕事をしたり、授産製品活動をしたり・・・。就労継続B型と併設している事も多く、この二つはとてもよく似ています。

この機会に、障害者支援分野のこともよく知っていただけると嬉しいです

介護というと、高齢者介護を想起する方が多いのでは無いでしょうか。実務者研修を受講しても、実習はほとんどが高齢者介護ですね。事業所数も、圧倒的に高齢者が多いのでやむを得ないところです。

障害者分野について、皆さんの理解・興味をもっていただけるととても嬉しいです!

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