2018年度(第31回)社会福祉士国家試験解説 第42問 福祉行政における都道府県の役割

問題 42

福祉行政における都道府県の役割に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。


1 老人福祉法の規定により,特別養護老人ホームに入所させる権限を持つ。
2 介護保険法の規定により,介護保険の保険者とされている。
3 「障害者総合支援法」の規定により,介護給付の支給決定を行う。
4 児童福祉法の規定により,障害児入所施設に入所させる権限を持つ。
5 知的障害者福祉法の規定により,障害者支援施設に入所させる権限を持つ。


(注)「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。


引用元: 第31回(平成30年度)社会福祉士国家試験 試験問題

福祉行財政と福祉計画、個人的に最も苦手な科目です。

さて、ついに福祉行財政と福祉計画の問題まできました。個人的には、最も苦手な科目です。理由は、暗記中心の科目で、やっててつまらないからです。とは言ったものの、最低1問は正解しないと全体で合格点を超えていても、不合格となってしまうので、何とか政党を積み重ねていく必要があります。

原典(法律)を読むことが、結局は理解の近道!

この問題ですが、全ての選択肢が”○○法の規定により”で始まっています。これだけでいやになりそうですが、せっかくですのでその法律を読んでおくことが理解の近道です。前述の通り、福祉行財政と福祉計画は、誰もが苦手とする科目では無いでしょうか?したがって、勉強すればしただけ得点源とできます。得意科目は勉強してもなかなか点数が一定以上上がりませんが、苦手なところは成果に繋がりやすいです。しっかり学習したいところです。

老人福祉法 特養への入所権限を持つのは市町村

第十一条 市町村は、必要に応じて、次の措置を採らなければならない。
一 六十五歳以上の者であつて、環境上の理由及び経済的理由(政令で定めるものに限る。)により居宅において養護を受けることが困難なものを当該市町村の設置する養護老人ホームに入所させ、又は当該市町村以外の者の設置する養護老人ホームに入所を委託すること。
二 六十五歳以上の者であつて、身体上又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ、居宅においてこれを受けることが困難なものが、やむを得ない事由により介護保険法に規定する地域密着型介護老人福祉施設又は介護老人福祉施設に入所することが著しく困難であると認めるときは、その者を当該市町村の設置する特別養護老人ホームに入所させ、又は当該市町村以外の者の設置する特別養護老人ホームに入所を委託すること。

引用:老人福祉法

わけがわからないですね!主語と述語の間に色々と入っているのが条文の特徴。上記をわかりやすく?すると下記の通りです。

 第十一条 市町村は、必要に応じて、次の措置を採らなければならない。
一 六十五歳以上の者であつて、環境上の理由及び経済的理由(政令で定めるものに限る。)により居宅において養護を受けることが困難なものを当該市町村の設置する養護老人ホームに入所させ、又は当該市町村以外の者の設置する養護老人ホームに入所を委託すること。
二 六十五歳以上の者であつて、身体上又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ、居宅においてこれを受けることが困難なものが、やむを得ない事由により介護保険法に規定する地域密着型介護老人福祉施設又は介護老人福祉施設に入所することが著しく困難であると認めるときは、その者を当該市町村の設置する特別養護老人ホームに入所させ、又は当該市町村以外の者の設置する特別養護老人ホームに入所を委託すること。  

なんだか余計わかりにくいかも知れませんが。”市町村は、必要なときは入所させないといけませんよ”=入所させる権限を持ちますよ、ということです。老人福祉法の規定により、特別養護老人ホームへに入所させる権限を持つのは、市町村です。したがって選択肢1は誤り。

介護保険の保険者は、市町村及び特別区(介護保険法)

(保険者)
第三条 市町村及び特別区は、この法律の定めるところにより、介護保険を行うものとする。
2 市町村及び特別区は、介護保険に関する収入及び支出について、政令で定めるところにより、特別会計を設けなければならない。

引用:介護保険法

介護保険法の規定では、保険者(ほけんじゃ)は市町村及び特別区と規定されています。したがって、都道府県の役割ではなく、選択肢2は誤り。なお、この問題はあくまで介護保険法ベースの話。広域連合が保険者となっているケースもあります。ケアマネ試験などでよく問われますね。”介護保険の保険者になることができるのは、市町村と特別区のみである”みたいな問題だと、それは×ですね。

障害者総合支援法の支給決定は、市町村

(介護給付費等の支給決定)
第十九条 介護給付費、特例介護給付費、訓練等給付費又は特例訓練等給付費(以下「介護給付費等」という。)の支給を受けようとする障害者又は障害児の保護者は、市町村の介護給付費等を支給する旨の決定(以下「支給決定」という。)を受けなければならない。
2 支給決定は、障害者又は障害児の保護者の居住地の市町村が行うものとする。ただし、障害者又は障害児の保護者が居住地を有しないとき、又は明らかでないときは、その障害者又は障害児の保護者の現在地の市町村が行うものとする。
3 前項の規定にかかわらず、第二十九条第一項若しくは第三十条第一項の規定により介護給付費等の支給を受けて又は身体障害者福祉法第十八条第二項若しくは知的障害者福祉法第十六条第一項の規定により入所措置が採られて障害者支援施設、のぞみの園又は第五条第一項若しくは第六項の厚生労働省令で定める施設に入所している障害者及び生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第三十条第一項ただし書の規定により入所している障害者(以下この項において「特定施設入所障害者」と総称する。)については、その者が障害者支援施設、のぞみの園、第五条第一項若しくは第六項の厚生労働省令で定める施設又は同法第三十条第一項ただし書に規定する施設(以下「特定施設」という。)への入所前に有した居住地(継続して二以上の特定施設に入所している特定施設入所障害者(以下この項において「継続入所障害者」という。)については、最初に入所した特定施設への入所前に有した居住地)の市町村が、支給決定を行うものとする。ただし、特定施設への入所前に居住地を有しないか、又は明らかでなかった特定施設入所障害者については、入所前におけるその者の所在地(継続入所障害者については、最初に入所した特定施設の入所前に有した所在地)の市町村が、支給決定を行うものとする。
4 前二項の規定にかかわらず、児童福祉法第二十四条の二第一項若しくは第二十四条の二十四第一項の規定により障害児入所給付費の支給を受けて又は同法第二十七条第一項第三号若しくは第二項の規定により措置(同法第三十一条第五項の規定により同法第二十七条第一項第三号又は第二項の規定による措置とみなされる場合を含む。)が採られて第五条第一項の厚生労働省令で定める施設に入所していた障害者等が、継続して、第二十九条第一項若しくは第三十条第一項の規定により介護給付費等の支給を受けて、身体障害者福祉法第十八条第二項若しくは知的障害者福祉法第十六条第一項の規定により入所措置が採られて又は生活保護法第三十条第一項ただし書の規定により特定施設に入所した場合は、当該障害者等が満十八歳となる日の前日に当該障害者等の保護者であった者(以下この項において「保護者であった者」という。)が有した居住地の市町村が、支給決定を行うものとする。ただし、当該障害者等が満十八歳となる日の前日に保護者であった者がいないか、保護者であった者が居住地を有しないか、又は保護者であった者の居住地が明らかでない障害者等については、当該障害者等が満十八歳となる日の前日におけるその者の所在地の市町村が支給決定を行うものとする。
5 前二項の規定の適用を受ける障害者等が入所している特定施設は、当該特定施設の所在する市町村及び当該障害者等に対し支給決定を行う市町村に、必要な協力をしなければならない。

引用: 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律

” 支給決定は、障害者又は障害児の保護者の居住地の市町村が行う ”と明記されており、選択肢3は誤り。この、障害者総合支援法の支給決定は市町村、というのはよく問われるところですね。是非とも覚えておきましょう。

また、長々と引用した理由ですが、” 入所前に有した居住地の市町村が、支給決定を行うものとする”という 、ケアマネ試験でお馴染みの、住所地特例に準ずる考え方が盛り込まれているからですね。私も、住所地特例があることは知りませんでした。住所地特例については、高齢者の入所施設(とりわけ地域密着型)における相談員の実務や、ケアマネ試験で浴びるほど関わる論点です。結構理解しにくい内容ですが、「なぜそのような制度があるのか?ということを絡めて考えると、覚え安いと思います。どこかで時間があれば、触れておきたいですね。

児童福祉法の条文は猛烈にわかりにくい!支給は障害児ではなく、その保護者に対してなされることに留意する。

第二十四条の三 障害児の保護者は、前条第一項の規定により障害児入所給付費の支給を受けようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県に申請しなければならない。
○2 都道府県は、前項の申請が行われたときは、当該申請に係る障害児の心身の状態、当該障害児の介護を行う者の状況、当該障害児の保護者の障害児入所給付費の受給の状況その他の厚生労働省令で定める事項を勘案して、障害児入所給付費の支給の要否を決定するものとする。

引用:児童福祉法

根拠となる条文を探すのに、30分以上かかってしまいました・・・。都道府県の支給決定により、入所が決定します。したがって、選択肢4は正解。

知的障害者福祉法に規定される施設は(現在)存在しません!

知的障害者福祉法では、かつて知的障害者更生施設が規定されていました。が、法改正により全て移行してしまいました。したがって、選択肢5は誤りです。知的障害者については、例えば療育手帳は法律に定めが無い等、引っかけ問題をつくりやすい分野です。気をつけたいですね

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