2018年度(第31回)社会福祉士国家試験解説 第38問 地域包括支援センター

問題 38 事例を読んで,地域包括支援センターのA相談員(社会福祉士)による今後のBさんへの支援や近隣との関わりとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
〔事 例〕
一人暮らしのBさん(89 歳,女性)は,認知機能の低下は見られないが,日常的な買物や家事が難しくなってきている。そこで,地域包括支援センターに相談をしたところ,A相談員は要介護認定を受けることを勧め,要支援 1 の認定を受けた。
Bさんは週 1 回,近隣で開催されている高齢者サロンに参加することを楽しみにしており,ちょっとした買物やゴミ出しについては,近隣の住民が声を掛けて随時手助けを行っている。
1 Bさんに高齢者サロンの利用をやめて,デイサービスを利用するよう促す。
2 近隣の手助けが行われているので,A相談員は当面関わらないようにする。
3 近隣の住民に対し,専門職が関わるので,手助けは不要であると伝える。
4 公的な制度の利用は検討せず,近隣の住民に支援の中心になるよう依頼する。
5 現在の近隣関係を基に,今後の支援の在り方を他の専門職と一緒に検討する。


引用元: 第31回(平成30年度)社会福祉士国家試験 試験問題

“最も適切なもの”を選びましょう。

事例問題です。基本的に事例はボーナス問題なので、取りこぼさないようにしたいところです。

性急に結論を出す選択肢は原則誤り。

あくまで相談員として”最も適切なもの”を選ぶ問題なので、情報が少ない中で結論を出してしまうような選択肢は誤りの可能性が非常に高いです。

選択肢1の”サロンをやめるように促す”、選択肢2”相談員としてかかわらない”、選択肢3”手助けは不要と判断する”、選択肢4”依頼する”というのは、突っ走りすぎじゃないですかね?

選択肢5だけが、唯一”一緒に検討する”ということで、一呼吸おいてまず検討という感じですね。当然、これが正答です。

検討するとか、考えてみる、ねぎらう、情報収集するというような選択肢が正当になることが多いです。アクションを起こす前に、まず状況をよく確かめることが相談員には求められるので、そのような感覚で問題に向き合えば、この手の問題はまず間違えないと思います。

アセスメントをしっかりしたうえでの支援というのが、相談員の基本だということを念頭において試験に臨むことが必要ですね。

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