2018年度(第31回)社会福祉士国家試験解説 第18問 人口動態

問題18

人口に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。


1 人口転換とは,「多産多死」から「少産多死」を経て「少産少死」への人口動態の転換を指す。
2 世界人口は,国連の予測では,2020 年以降減少すると推計されている。
3 第二次世界大戦後の世界人口の増加は,主に先進諸国の人口増加によるものである。
4 日本の人口は,高度経済成長期以降,減少が続いている。
5 人口ボーナスとは,人口の年齢構成が経済にとってプラスに作用することをいう。


引用元: 第31回(平成30年度)社会福祉士国家試験 試験問題

むしろ、”人口オーナス”をしっかり覚えましょう!!

この問題は、理解していればかなり簡単な問題かと思いますが、”ひっかけてきたな!”という感じですね。キーワードとして「人口オーナス」を覚えておくべきです。

人口オーナスは、現在の日本が抱える問題。

そもそも、オーナスとは”重荷”という意味です。ボーナスと韻を踏んでいるため、関連付けて覚えると良いのですが、かえって(言葉が似ていることが)理解の妨げになっているような気がします。だからこそ、こうやって引っかけ的に出題されるんですね。

で、人口オーナスですが、これは人口構成の変化が、重荷(マイナス)として作用する状態のことを意味します。その反対の意味となるのが”人口ボーナス”です。

この人口オーナスは、まさに今日本が抱える”少子高齢化”の状態です。生産年齢人口=支える側(15~64歳)が減少し、その一方で、従属人口=支えられる側(生産年齢人口を除く全て。すなわち0~14歳及び65歳以上)が増加し、重荷になる(財政上の懸念、成長の鈍化)状態です。この対義語が人口ボーナスであり、支える側より支えられる側が少ない状態です。選択肢5は、まさに人口ボーナス状態と言えますから、正答です。

通常は、最初にも触れましたが”人口オーナス”を問われる方が多いと思いますし、しっかりと理解しておくべき内容かと思います。過去問を活用して勉強する際は、必ず”何故この回答が正答なのか?”まで理解して振り返って行きましょう。

その他の選択肢について

1 人口転換とは,「多産多死」から「少産多死」を経て「少産少死」への人口動態の転換を指す。→「多産多死」から「多産少死」
2 世界人口は,国連の予測では,2020 年以降減少すると推計されている。→人口減少は日本の傾向であり、世界人口は増加 参考:ナショジオ 2100年には110億人ですか・・・
3 第二次世界大戦後の世界人口の増加は,主に先進諸国の人口増加によるものである。 →主に発展途上国ですね。
4 日本の人口は,高度経済成長期以降,減少が続いている。  → 日本の人口ピークは2008年です。

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