2018年度(第31回)社会福祉士国家試験解説 第7問 神経性やせ症/神経性無食欲症

問題7

精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5 )における「神経性やせ症/神経性無食欲症」の診断基準に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。


1 はっきりと確認できるストレス因がある。
2 体重は標準体重以上である。
3 対人恐怖がある。
4 やせることに対する恐怖がある。
5 過食を生じるタイプもある。


引用元: 第31回(平成30年度)社会福祉士国家試験 試験問題

いわゆる”受験テクニック”が通用する問題。判断に迷ったときの考え方

資格試験の攻略法は、「知識のインプット」と、「受験テクニック」の両輪が必要です。この問題は受験テクニックが有効な事例ですね。

「○○な時”も”ある」は、だいたい正しい

ブラックスワン、という言葉をご存じでしょうか。たいへん有名な書籍がありますので、ご紹介いたします。

■「ブラック・スワン(黒い白鳥)」とは何か?
むかし西洋では、白鳥と言えば白いものと決まっていた。そのことを疑う者など一人もいなかった。ところがオーストラリア大陸の発見によって、かの地には黒い白鳥がいることがわかった。白鳥は白いという常識は、この新しい発見によって覆ってしまった。
「ブラック・スワン」とは、この逸話に由来する。つまり、ほとんどありえない事象、誰も予想しなかった事象の意味である。タレブによれば、「ブラック・スワン」には三つの特徴がある。一つは予測できないこと。二つ目は非常に強いインパクトをもたらすこと。そして三つ目は、いったん起きてしまうと、いかにもそれらしい説明がなされ、実際よりも偶然には見えなくなったり、最初からわかっていたような気にさせられたりすることだ。

引用元:amazon商品紹介

白鳥と言えば、白い。すなわち黒い白鳥は存在しないというのが定説でした。しかし、一匹でも例外(黒い白鳥)が存在したら、先ほどの条件(黒い白鳥は存在しない)は、完全に否定されることになります。「○○な時もある」という、例外を許容するような選択肢はだいたいあってます。そして「○○することは無い」という断定的な選択肢は、1つの例外も認めないということで、だいたい間違ってます。

これは有名な受験テクニックですね。希に通用しないときがあるので注意が必要ですが、国試では概ね使えますね。選択肢が選べなくて、困ったときの補助的に使うと、とても効果的かと思います。この問題では、選択肢5  過食を生じるタイプもある。 が正答です。

その他の選択肢は、全て断定的な回答

あらためて選択肢1~4を眺めてみると、全て断定的ですね。もっとも、この問題はDSM-5における診断基準、ということなので、その基準が「はっきりと確認できるストレス因のある」やせ症= 「神経性やせ症/神経性無食欲症」 だとしたら、選択肢1は正答ということになります。

この問題を間違えてしまった方は、神経性やせ症の特性を一生懸命覚えるよりも、さらっと流してしまって他に学習時間を振り向けた方が良いかもしれませんね。(個人的な意見です)

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