2018年度(第31回)社会福祉士国家試験解説 第5問 高血圧

問題5

高血圧に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 高血圧の診断基準は,収縮期(最高)血圧160 mmHg 以上あるいは拡張期(最低)血圧90 mmHg 以上である。
2 本態性高血圧(一次性高血圧)は,高血圧全体の約50 %を占める。
3 続発性高血圧(二次性高血圧)の原因の第1 位は,内分泌性高血圧である。
4 高血圧の合併症に脳血管障害がある。
5 血液透析の導入の原因の第1 位は,高血圧性腎硬化症である。


引用元: 第31回(平成30年度)社会福祉士国家試験 試験問題

これはもう、ボーナス問題ですね。正答は4です。高血圧の合併症として脳血管障害を発症するというのは常識ですね。

限られた試験時間。まずは選択肢を眺めて、即決できる問題はどんどん行くこと

選択肢を、○か×か熟考して、次の選択肢へ・・・というやり方は辞めた方が良いですね。まずは全部読んでみることをオススメします。そのうえで、今回のような一目で正答がわかる問題は、即決して次の設問に行くべきです。時間の節約にもなりますね。

選択肢1

高血圧の診断基準ですが、高血圧学会の高血圧治療ガイドライン2014によると、収縮期140mmhgですので、選択肢1は誤りです。この基準値の考え方は、あくまで高血圧学会の基準ですしまた2014年に発出されたものということで、今後見直しとなる可能性も多分にあります。ちなみに、この選択肢中、160mmhgというのは、要治療の基準のようですね。いやらしいひっかけですね。

選択肢2 本態性高血圧=原因不明と覚える

本態性高血圧というと、そもそも”本態性とは何だ?”ということですが、簡単に言うと原因不明ということです。塩分の取り過ぎなどが血圧上昇の一因、とは言われていますが、必ずしもそれだけで高血圧になるとは限らないですよね。ほとんどの高血圧は、明確な原因は不明なのです。逆に、原因が特定できる腎性高血圧などは10%程度とのことです(出所:国立循環器病研究センター)。50%どころか、90%が原因不明(=本態性)につき、選択肢2は誤りです。本態性の意味をしっかり押さえておきましょう。

選択肢3 続発性高血圧の代表格は、腎性高血圧

続発性高血圧(二次性高血圧とも)は、上記選択肢2とは違い、原因がはっきりしている高血圧です。原疾患があって、その疾患に起因して起こります。具体的には腎性高血圧と内分泌性高血圧ですね。腎臓が悪くなる、血圧が高くなる、というのは卵が先かニワトリが先か・・・相互に関連することを是非抑えましょう。すなわち、血圧が高いと腎臓にダメージが行く→腎臓が悪くなると血圧が高くなるというのをグルグル悪循環に陥ることは覚えておきたいですね。

選択肢5 透析導入の第一位は糖尿病性腎症

これも覚えておきたい内容。人工透析となる原因の第一位は、糖尿病の合併症たる糖尿病性腎症です。糖尿病という疾患については、その合併症も含めて(むしろ合併症の理解が重要)しっかりと覚えましょう。これは、今後医療人として生きていくためには必須の知識ですね。

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