2018年度(第31回)社会福祉士国家試験解説 第3問 国際生活機能分類(ICF)

問題3

国際生活機能分類(ICF)に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。


1 生活機能とは,心身機能,身体構造及び活動の三つから構成される。
2 活動は,能力と実行状況で評価される。
3 活動とは,生活や人生場面への関わりのことである。
4 個人因子には,促進因子と阻害因子がある。
5 参加制約とは,個人が活動を行うときに生じる難しさのことである。


引用元: 第31回(平成30年度)社会福祉士国家試験 試験問題

ICFは、ケアマネ実務研修で浴びるほど取り扱いますね。医療・介護界隈ではよく問われる論点ですので、しっかり抑えておきたいところです。

心身機能・構造、活動、参加、個人因子・環境因子をお経のように覚える!

とにかくICF=心身機能構造・活動・参加・個人因子・環境因子というのがパッと出てくようにします。丸暗記でも語呂合わせでも、それこそお経や呪文のように唱え続けるとか、壁に貼るとかして無理矢理でもなんでも覚えましょう。

全部覚えきった前提で選択肢を見ていくと・・・・

1 生活機能とは,心身機能,身体構造及び活動の三つから構成される。→×心身機能・構造、活動、参加なので即×
2 活動は,能力と実行状況で評価される。 → 正答
3 活動とは,生活や人生場面への関わりのことである。 → ×人生場面といった限定的な内容では無いため×
4 個人因子には,促進因子と阻害因子がある。  →×促進因子・阻害因子が有るのは環境因子
5 参加制約とは,個人が活動を行うときに生じる難しさのことである。 →× 読んで字のごとし、 「参加」への制約

促進因子・阻害因子についての考え方

選択肢4ですが、解説したとおり促進因子・阻害因子が有るのは環境因子 です。引っかけになってますね。この考え方ですが、阻害因子から考えると覚えやすいです。

阻害因子=barrier(バリア) 社会的障壁と関連付けて覚えると良い。

ICFは、国際生活機能分類というだけあって、国際的な考え方です。したがって、英語から日本語に翻訳されています。その結果が「阻害要因」という表現ですが、バリアといった方がわかりやすいのでは無いでしょうか。ちなみに、促進要因はfacilitatorなので、こちらは少し覚えにくいですね。ファシリテーター、ファシリテーションという用語は業界でよく使われますが、イメージはしにくいかと思います。

バリアというと、障害者差別解消法のところで、社会的障壁(バリア)という言葉が出てきますね。社会的障壁とは、例として段差や、偏見といった環境的な障壁ですよね。したがって、阻害要因=バリア=環境因子というように関連付けをすると、ついでに障害者差別解消法のことも復習できて良いのでは無いでしょうか。

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