2018年度(第31回)社会福祉士国家試験過去問解説 第129問 認知症初期集中支援チーム

問題129 認知症総合支援事業に基づく認知症初期集中支援チームに関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。


1 包括的,集中的な支援をおおむね2 年とする。
2 介護サービスが中断している者も対象である。
3 早期入院の初期対応体制をとる。
4 初回訪問は医療系職員が2 名以上で行う。
5 チーム員に認知症サポーター1 名が含まれる。

引用元: 第31回(平成30年度)社会福祉士国家試験 試験問題

認知症初期集中支援チームについて

認知症初期集中支援チームは、認知症の早期対応・早期診断等を目的にしています。対象は、40歳以上、在宅生活をしていて

  • 認知症疾患の臨床診断を受けていない
  • 継続的な医療サービス、介護サービスを受けていない
  • 中断している
  • 医療・介護サービスを受けているが、認知症の行動・審理症状が強く、対応に苦慮している

上記にあてはまる人となります。ということで、

2 介護サービスが中断している者も対象である。

これが完全に当てはまりますので、正答となります。

1 包括的,集中的な支援をおおむね2 年とする。

”初期”に集中してとりくむチーム、ということですから、2年というのはどうなんでしょうか。いかにも長すぎませんか。
正しくは””おおむね6ケ月”です。
ちなみに、通所リハの短期集中リハビリ加算は退院後3ヶ月以内、集中してリハビリを行ったときに算定しますが、僕の中での”短期”のイメージは3ヶ月ですね。6ヶ月でもじゅうぶん長居感じがしますね(個人の感想です)。

3 早期入院の初期対応体制をとる。

認知症総合支援事業の理念は、”認知症の状態になっても住み慣れた地域の環境で暮らす”こととされていますので、初期対応として入院させるというのは選択肢としては不適切と言えます。

4 初回訪問は医療系職員が2 名以上で行う。

複数の専門職が訪問をすることになっているため、一見正しいように思われます。しかし、”専門職”の定義がポイントですね。医師や看護師、薬剤師、理学療法士といったいわゆる医療専門職のほか、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、介護支援専門員と言った、一般には医療系専門職のカテゴリーには入らない(と思われる)職種も含まれていますので、誤りとなります。

5 チーム員に認知症サポーター1 名が含まれる。

認知症サポーターは、いわゆるオレンジリング持った人ですね。新オレンジプランを参照してみてください。
残念ながら、認知症サポーターはチーム構成員にはならないので、不適切です。

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