2018年度(第31回)社会福祉士国家試験過去問解説 第122問 福祉サービスにおける危機管理(リスクマネジメント)

問題122 「福祉サービスにおける危機管理(リスクマネジメント)に関する取り組み指針~利用者の笑顔と満足を求めて~」(厚生労働省)の内容に関する次の記述のうち,適切なものを2 つ選びなさい。


1 利用者の自立的な生活を重視するほどリスクは高まるため,利用者の自由を制約するのはやむを得ない。
2 標準化されたサービスよりも,各職員の経験と勘に頼ったサービスの方が,業務 善や事故の原因の特定が行いやすい。
3 より質の高いサービスを提供することによって多くの事故が未然に回避できる,という考え方で危機管理に取り組むべきである。
4 利用者の状況や施設環境等の個別性が高いため,各施設において十分な検討と創意工夫が必要である。
5 リスクマネジメントは職員全体で取り組むべきことなので,経営者の強いリーダーシップは不要である。

引用元: 第31回(平成30年度)社会福祉士国家試験 試験問題

2個選択のボーナス問題

リスクマネジメントについての問題。この手の問題は、いつものように原典を読むことが大切です。 厚生労働省のホームページに原典( 「福祉サービスにおける危機管理(リスクマネジメント)に関する取り組み指針~利用者の笑顔と満足を求めて~」 )が掲載されていますので読んでいきましょう。
そうで無くても、この問題は常識の範囲で解答できるかと思います。

1 利用者の自立的な生活を重視するほどリスクは高まるため,利用者の自由を制約するのはやむを得ない。

現場レベルの本音では、こんな風に思っている人は多いのではないかとも思うのですが・・・やはり国試の選択肢としては選べないですよね。”安全の確保のために身体拘束は仕方ない”というのと同じですが、これもたがが外れてどんどんエスカレートしていくパターンでは無いかと思います。

2 標準化されたサービスよりも,各職員の経験と勘に頼ったサービスの方が,業務改善や事故の原因の特定が行いやすい。

標準化されたサービス、つまりマニュアルに沿った手順よりも、書く職員のスキルだとか、勘(笑)に頼った手順の方が、間違いはおきやすくなりますし、その原因は曖昧になりますよね。

3 より質の高いサービスを提供することによって多くの事故が未然に回避できる,という考え方で危機管理に取り組むべきである。
4 利用者の状況や施設環境等の個別性が高いため,各施設において十分な検討と創意工夫が必要である。

いかにも優等生的な解答の、この2つが正答となります。

5 リスクマネジメントは職員全体で取り組むべきことなので,経営者の強いリーダーシップは不要である。

”リスクマネジメントは職員全体手で取り組むべき事” →ここまでは問題無いですが、” 経営者の強いリーダーシップは不要である。”→こっちは微妙ですね。経営者の強いリーダーシップは、厄介なこともありますが、一方で、トップの強い意志というのは、何事かを成し遂げたりとかには強力なプラス要因として働くことも有ると思います。
いずれにせよ、”不要”と言い切ってしまうような断定的な選択肢は、違和感を感じますよね。

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