2018年度(第31回)社会福祉士国家試験過去問解説 第121問 財務管理と資金調達

問題121 福祉サービス提供組織の財務管理と資金調達に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。


1 純資産の具体的中身は,土地や建物等である。
2 貸借対照表の借方は,資金運用方法を示す。
3 非営利組織は株式発行による資金調達ができる。
4 金融機関からの借入れを直接金融という。
5 会計上,収益とは利益を指す。

引用元: 第31回(平成30年度)社会福祉士国家試験 試験問題

決算書の読み方、わかる人なら簡単ですが・・・・。

会計の知識がある人にとっては楽勝な問題です。いっぽう、学生さんはじめ、決算書と縁遠い方だとこれは苦戦するのでは無いでしょうか。この問題を一生懸命解くのか、他にリソースをふり向けるかは、ご判断次第ですかね・・・

1 純資産の具体的中身は,土地や建物等である。

純資産は、利益剰余金等の自己資本が中身となります。貸借対照表では右下に来ますね。いっぽう、選択肢中の土地や建物は固定資産となり、左下ですから明確に誤りです。

2 貸借対照表の借方は,資金運用方法を示す。

借り方は、貸借対照表では左か側になります。”貸借”対照表ということで、文字の並びは右に借りるがありますが、借り方は左側です。ややこしいですね。借り方は資産の部となり、上側が現金化しやすい流動資産、下側は現金化の困難な不動産等の固定資産になっています
このように、会社の財産構成を明らかにする貸借対照表ですが、借りたお金、稼ぎ出したお金の運用状況を示しているといえます。
この選択肢が正答です。

3 非営利組織は株式発行による資金調達ができる。

株式発行により、資金調達ができるのはその名の通り株式会社です。非営利法人の代表は、社会福祉士として抑えておきたい物として社会福祉法人などが有ります。社会福祉法人は株式発行はできません。また、利益が出たとしても配当をすることができない、使途制限が有る等は覚えておくべき内容でしょう。

4 金融機関からの借入れを直接金融という。

これは、ややこしいですね。金融機関は資金調達を預金等によって行っています。預金者から預かったお金を、会社に貸し出すわけです。会社の側から見てみると、金融機関から借りてはいるものの、実はそのお金の出所は一般の預金者のお金を、金融機関を経由して間接的に借りていることになります。
したがって、金融機関からの借り入れは間接金融となり、誤りです。

5 会計上,収益とは利益を指す。

利益は、簿記のルールでは収益ー費用で計算されます。収益と利益はイコールでは無いのです。
例えば、リンゴを150円で仕入れて200円で売った場合・・・
収益 200円 ー 費用 150円 = 収益 50円 となります。

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