2018年度(第31回)社会福祉士国家試験過去問解説 第115問 スーパービジョン

問題115 ソーシャルワークにおけるスーパービジョンに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。


1 スーパービジョンの目的は,より多くのサービスを提供し,事業所の利益を高めることにある。
2 スーパービジョンの契約は,スーパービジョンの展開過程の終結段階で行われる。
3 ピアスーパービジョンでは,スーパーバイジーが所属する職場内の上下関係を活用して行う。
4 パラレルプロセスとは,スーパーバイジーであるソーシャルワーカーとクライエントとの関係とよく似た状況が,スーパーバイザーとスーパーバイジーとの関係において起こることをいう。
5 スーパーバイザーがスーパーバイジーの能力に合わせて業務を調整するのは,スーパービジョンの支持的機能である。

引用元: 第31回(平成30年度)社会福祉士国家試験 試験問題

スーパービジョンは頻出

スーパービジョンです。社会福祉士資格を取得し、相談員になる方は、今後スーパービジョンを受ける立場になるかも知れませんし、将来経験を積んでいけば、スーパーバイザーの立場となるかも知れませんね。国試でも良く出題される部分です。

1 スーパービジョンの目的は,より多くのサービスを提供し,事業所の利益を高めることにある。

スーパービジョンにより、相談員の質が向上すれば、結果として事業所の評価が高まり、収入が増える可能性は有ると思います。しかしながら、それが目的、ではないですよね。あくまでスーパーバイジーの資質向上が目的なのでは無いでしょうか?

2 スーパービジョンの契約は,スーパービジョンの展開過程の終結段階で行われる。

契約は、初期段階に行われるのは常識かと思われます。

3 ピアスーパービジョンでは,スーパーバイジーが所属する職場内の上下関係を活用して行う。

ピアスーパービジョンは、”ピア”という接頭語がつくことから、ピアサポートと関連付けると理解がしやすいと思います。同じ境遇の人、つまり同僚等と行うスーパービジョンであって、上下関係では有りませんね。

4 パラレルプロセスとは,スーパーバイジーであるソーシャルワーカーとクライエントとの関係とよく似た状況が,スーパーバイザーとスーパーバイジーとの関係において起こることをいう。

今回は、この選択肢が正答です。パラレル(平行)プロセスは、スーパーバイザーとスーパーバイジー、相談員(スーパーバイジー)とクライエントの間に似たような状況が起こることです。例えばスーパーバイジーがバイジーの話を良く聞かない、というような状況であれば、相談員とクライエントの間もそうなってしまうというようなケースですね。

5 スーパーバイザーがスーパーバイジーの能力に合わせて業務を調整するのは,スーパービジョンの支持的機能である。

業務の調整は、スーパービジョンの管理的機能となります。
支持的機能は、1.職務に関するストレス、悩み等を傾聴し、サポートする 2.自己覚知を促すことなどとされています。

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