2018年度(第31回)社会福祉士国家試験過去問解説 第114問 ピアサポート

問題114 事例を読んで,J医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)の応答として,適切なものを2つ選びなさい。


〔事 例〕
希少難病を患っているKさんは,J医療ソーシャルワーカーに,「自分は心理的にも社会的にも孤立しているのでとても苦しい。似たような立場の人と話してみたい」と相談した。


1 「同じような悩みをお持ちの患者さんの集まりを持ちましょう」
2 「一人ひとり事情が異なるので,他の人と話すことは難しいです」
3 「病気が関係しているので,相談に乗るには主治医の許可が要ります」
4 「カルテを調べて同じ病気の患者さんの連絡先をお教えします」
5 「思いを聞いてもらえるボランティアをお願いすることもできるかと思います」

引用元: 第31回(平成30年度)社会福祉士国家試験 試験問題

ピアサポートについて

事例問題です。希少難病に罹患しているクライエントが、” 似たような立場の人 ”と、交流したいと訴えてきたという設定です。このように、当事者同士での自助グループなどの活動がピアサポートとなります。事例のような難病の患者会であったり、アルコール依存の自助グループ、発達障害、知的障害の親等々・・・。ひきこもり児童の親、うつ病罹患者のピアサポートも有りますね。

この問題も、かなり簡単な部類なのでは無いでしょうか?

1 「同じような悩みをお持ちの患者さんの集まりを持ちましょう」

常識的に考えて、これは正解として選択することができると思います。

2 「一人ひとり事情が異なるので,他の人と話すことは難しいです」

こんなことを話す相談員は実際に居そうですが、だいたい探すのが面倒なだけだと思われます。

3 「病気が関係しているので,相談に乗るには主治医の許可が要ります」

これは、意味不明ですね。本人が希望しているなら、この件については主治医の確認は不要でしょう。例えば、本人ではなく家族だとか、告知がされていない等の事例であれば、話は別かも知れませんが。

4 「カルテを調べて同じ病気の患者さんの連絡先をお教えします」

医療機関に勤めていて、病名で患者を抽出することはできるかも知れませんね。この辺りは、ソーシャルワーカーにどれくらいの権限がコンピュータシステム上割り当てられているのかにも依るかも知れません。しかし、本人 (この例では、同じ病気の患者さん) の同意を得ずに連絡先を教えてしまうのは、当然マズいですよね。病院勤務が長く、感覚がマヒしてくると、やってしまう人が居るのかも知れません。1990年代くらいの感覚だと、もしかしたら良かったのかも知れませんが、2019年の現代でこれをやったら相当まずいことになるのは想像できるかと思います。

5 「思いを聞いてもらえるボランティアをお願いすることもできるかと思います」

傾聴により、心理的孤立感の解消に効果があるか脳性は有ると思います。よって、これも正答で良いと思います。

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