2018年度(第31回)社会福祉士国家試験過去問解説 第113問 グループワーク
問題113 グループワークに関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
引用元: 第31回(平成30年度)社会福祉士国家試験 試験問題
1 最終目標は,まとまりのあるグループを作ることである。
2 メンバー自身やグループ内の葛藤は,回避することが必要である。
3 開始期では,メンバー間の相互援助システムの形成が促進される。
4 メンバー個々の問題を解決する主体は,ワーカーである。
5 プログラム活動は,グループワークの援助方法の一つである。
グループワーク、よく使う言葉ではありますが
グループワーク、という言葉はよく使われますよね。介護支援専門員養成研修でも,グループワーク形式で行われます。その際の意味としては、小集団での演習、という感じですね。しかしながら、ここでは社会福祉士国家試験対策としてのグループワークというものを考えていかないと正答にはたどり着けないです。
いつものように、教科書を紐解いて行きます。第3版の60ページからを読んでいきます。
1 最終目標は,まとまりのあるグループを作ることである。
国試受験予定者で、この選択肢を選ぶ人は居ないのでは無いでしょうか。まとまりのあるグループを作るのがゴールというのは、寂しいというか。やはり問題解決が最終目標で、付随して、成員の成長といったものが出てくるという感じですよね。
2 メンバー自身やグループ内の葛藤は,回避することが必要である。
グループワークの意義の1つに、先ほども触れたように成員の成長と言った物が挙げられますよね。他人同士が集まってワークをするわけですから、考え方もそれぞれ違い、葛藤がおこることもあり得ます。そういった物を、うまくすりあわせ、協議することによって、よりよい物としていくというプロセスは、とても大切なのでは無いでしょうか。したがって、回避することが必ずしも正しいとは言えないと思います。
3 開始期では,メンバー間の相互援助システムの形成が促進される。
これは、まさに教科書に記載のある内容です。グループワークの展開過程には、準備期、開始期、作業期 、終結・移行期に区分されています。この中で、相互援助システムの形成が促進されるのは、作業期にあたります。
4 メンバー個々の問題を解決する主体は,ワーカーである。
選択肢3ので触れられている相互援助システムの中で、メンバー個々の抱える問題点について触れられています。これは、やはり解決主体はそれぞれ個人が向き合っていくしか無いですよね。しかしながら、グループとしては、個々人の抱える問題に対する気づきを与えていくことが役割とされています。ワーカーが関わるとしても、それは主体的な物ではありませんね。
5 プログラム活動は,グループワークの援助方法の一つである。
最後に、この選択肢が正答となります。教科書にそのものズバリ解説が掲載されていますので、ご一読ください。