2018年度(第31回)社会福祉士国家試験過去問解説 第106問 災害復興住宅での支援(アウトリーチ)

問題106 事例を読んで,Q市にある地域包括支援センターのC社会福祉士が行う援助過程において,この段階における対応として,適切なものを2 つ選びなさい。


〔事 例〕
大震災から年月が経過し,V災害復興住宅では高齢化が進み,生活課題も多様化し,孤立してしまう住民が多い。そのため,V災害復興住宅内での住民同士の助け合い活動はほとんど行われていない。ある日,この地域を担当するD民生委員がC
社会福祉士の下に相談に訪れ,「先週発生した孤立死のことが悔やまれ,民生委員として無力さを痛感している。もう二度とこのようなケースが起きないように一緒に考えてくれないか」と訴えた。


1 V災害復興住宅周辺の住民も一緒に,孤立死の背景について話し合う機会を持つ。
2 見守り支援活動をV災害復興住宅内の住民に任せる。
3 V災害復興住宅内の掲示板に見守り支援を受けたい人を募るチラシを掲示して様子を見る。
4 V災害復興住宅の全戸を対象とした訪問活動を行う。
5 D民生委員の負担に配慮し,担当地域を変更することを提案する。

引用元: 第31回(平成30年度)社会福祉士国家試験 試験問題

事例問題 これもボーナスかな

事例問題、適切なものを2つ選択する問題です。災害復興住宅における支援についてということですが、2019年も台風や、付随する河川の氾濫など甚大な自然災害がありました。こういった内容の問題が出題される傾向は続くことが予想されますね。

職務放棄的な選択肢、代理で○○するといった選択肢は誤りのことが多い

2 見守り支援活動をV災害復興住宅内の住民に任せる。
3 V災害復興住宅内の掲示板に見守り支援を受けたい人を募るチラシを掲示して様子を見る。

選択肢2ですが、支援活動を住民に任せるとして、相談員は何をするんでしょうか・・・。これが、”見守り支援活動の状況を聞く”とかなら良いと思いますが、これじゃ援助になってないですよね。
選択肢3は、様子を見るのは、まあ悪くない気もしますが、もっと適切な選択肢がありましたね。

4 V災害復興住宅の全戸を対象とした訪問活動を行う。

アウトリーチにより、潜在的な要支援者を掘り起こすような活動は、上記選択肢3の”様子を見る”よりも、より適切かと思われます。選択肢4は正答

一緒に考える、話し合うは正答の可能性が高い

1 V災害復興住宅周辺の住民も一緒に,孤立死の背景について話し合う機会を持つ。

話し合う、という選択肢は、この時点での支援のあり方としては適切と言えましょう。選択肢1正解

5 D民生委員の負担に配慮し,担当地域を変更することを提案する。

もしかしたら、 D民生委員は負担に感じているかも知れませんが、変更を提案するのは明らかにやり過ぎですね。いったい何様なんだという話になるのは容易に想像が付くのではないでしょうか。当然、誤りとなります。

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