2018年度(第31回)社会福祉士国家試験過去問解説 第65問 生活保護の扶助の種類

問題65

 生活保護の扶助の種類とその内容に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。


1 介護扶助には,介護保険の保険料は含まれない。
2 生業扶助には,就職のための就職支度費は含まれない。
3 葬祭扶助には,遺体の検案のための費用は含まれない。
4 生活扶助には,小学生の子どもの校外活動参加のための費用が含まれる。
5 教育扶助には,小中学校への入学準備金が含まれる。


引用元: 第31回(平成30年度)社会福祉士国家試験 試験問題

生活保護の扶助の種類についての問題。基本的な考えをおさえる

生活保護の、扶助についての問題です。まずは根拠法たる生活保護法をチェックしておきましょう。

第十一条 保護の種類は、次のとおりとする。
一 生活扶助
二 教育扶助
三 住宅扶助
四 医療扶助
五 介護扶助
六 出産扶助
七 生業扶助
八 葬祭扶助

出所:生活保護法

以上のように、扶助の種類は8種類あります。真っ先に抑えておきたいのは生活扶助ですね。最初に書いてあることから、重要であることが感じられるのではないでしょうか?生活扶助の中身を見てみましょう。

第十二条 生活扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。
一 衣食その他日常生活の需要を満たすために必要なもの
二 移送

出所:生活保護法

ポイントは、 ”その他日常生活の需要を満たすために必要なもの ” ということですが、これは雑にいうと、”何にでも使えますよ”と覚えるといいのではないかと思います。より正確な表現とするなら、 例えば介護保険の利用料は介護扶助から出るけれども、それ以外の費用は生活扶助から出す、ということになります。

1 介護扶助には,介護保険の保険料は含まれない。 正答です。65歳以上となると、介護保険の一号被保険者となるため、介護保険料の支払いが必要ですが、こちらは生活扶助から出すことになります。WAMにも記載がありますね。ちなみに、40歳以上で二号被保険者となった場合は、生活保護の方は国保に加入することができないため、介護保険料の支払いがそもそもないことも要チェックですね。

微妙なのが選択肢4 児童養育加算の中身だから誤り?

選択肢4  生活扶助には,小学生の子どもの校外活動参加のための費用が含まれる。  →これは正答かどうかとても迷います。自分の中でも釈然としない部分です。校外学習費用は、生活扶助の中の、児童養育加算から出すものかと思うのですが、加算だから誤りなのでしょうか?個人的には○でいいと思うのですが・・・。

他の選択肢について

2 生業扶助には,就職のための就職支度費は含まれない。→ ”就労のために必要なもの”と考えらます。
3 葬祭扶助には,遺体の検案のための費用は含まれない。→検案は、支給対象です。
5 教育扶助には,小中学校への入学準備金が含まれる。  → ”準備金”の中身が曖昧なので、微妙なところですね。” 義務教育に伴つて必要な教科書その他の学用品 ”や、通学用品と明記されていないため、選びにくいところかと思います。

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