2018年度(第31回)社会福祉士国家試験解説 第51問 介護休業給付金

問題 51

事例を読んで,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
〔事 例〕
Dさん(45 歳)は,正社員として民間会社に勤務している。Dさんの父親Eさんが脳梗塞で倒れ,常時介護を必要とする状態になり,要介護 4 の認定を受けた。

1 Dさんが法定の介護休業制度を利用し,賃金が支払われなかった場合,雇用保険の介護休業給付金を受給することができる。
2 DさんがEさんの介護のために短時間勤務に切り替え,収入が従前よりも低下した場合,労働者災害補償保険から特別障害者手当が支給される。
3 Eさんが介護保険の居宅サービスを利用する場合,保険給付の区分支給限度基準額は,Eさんの所得に応じて決定される。
4 Eさんが 75 歳以上の後期高齢者の場合,Eさんの介護保険の利用者負担は減免の対象となる。
5 Eさんの介護保険の利用者負担が高額介護サービス費の一定の上限額を超過した場合,追加の利用者負担が求められる。


引用元: 第31回(平成30年度)社会福祉士国家試験 試験問題

これは悪問じゃないですか?情報不足だと思います

これは、事例問題ですが、実際には知識を問う問題で、そういった意味では少し難しい問題ですね。社会福祉士の事例問題は一般的に平易で、勘でほぼ解けてしまうのですが、この問題のように、一定の知識が求められるような場合もあります。

で、この問題は正答は1。父親Eが要介護状態となり、その介護のため介護休業を取得し、それに対して雇用保険の介護休業給付金を受け取ることができる、という制度の理解を試されています。

が、正直これは設問がよくないと思います。なぜなら、介護休業給付金の需給にあたっては、様々な要件が必要です。例えば雇用保険の被保険者期間です。詳細は厚労省のHPをご覧ください。

今回指摘したような内容は、引っ掛け問題などで狙われてくる可能性がある部分なので、残念な気がしますね。隙のない設問をしてほしいと思います。

その他の選択肢は、滅茶苦茶な内容なので、消去法で選択することも可能か。

選択肢2 親の疾病について、 労災保険からの給付が 受けられるわけもなく…

選択肢3 区分支給限度額は、所得によって増減はしないです。市町村独自のサービスで、区分支給限度額を増額する”上乗せ”や、おむつの給付等を行う”横出し”が、有ります。これはケアマネ試験でよく問われる論点で、かつ分かりにくいところですね。居住地や、近隣の自治体で、独自サービスが行われていないかを調べてみるのは、学習するうえでとても役立ちます。(エピソード記憶にできる)。おすすめの学習法です。

選択肢4 後期高齢者であることと、介護保険の利用者負担の減免は、無関係です。それこそ、市町村独自でそのような制度をとっているところもあるかも知れません。これは、高額介護サービス絡みの引っ掛けでしょうか?

選択肢5 高額介護サービスの、一定の上限額を超過したということは、通常は還付が受けられるということですね。

以上のように、選択肢1は全く的外れな選択肢です。かといって、ちゅうちょなく1を選べる問題でも無いな、という意味で釈然としないなー、という感想ですね。

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