介護職員が給料アップのため、次に目指すべき資格とは? ~介護福祉士編1~

現在介護職員として働いている方のうち、「介護の仕事しかしたこと無いよ」、という方は少ないのでは無いでしょうか?

私は採用担当の仕事をしていましたが、「親の介護をきっかけに」「介護は今後も無くならない仕事だから」といったような志望動機をお聞きすることが多かったです。

一般的に、介護職員初任者研修 → 介護福祉士 → 介護支援専門員 とキャリアアップをしていく方が多いと思います。まさに王道です。

しかしながら、この構図は少し崩れてきています。簡単に言うと、資格取得へのハードル(特にケアマネ)が次第に高くなってきているということです。

介護福祉士は実務経験3年に加え、実務者研修の修了が必要!

介護福祉士国家試験の受験者・合格者の推移 を見ていきましょう。

平成28年152,573人
平成29年76,323人

現在の制度では、介護福祉士の資格取得に当たっては実務者研修という研修の修了が必須となっています。この制度改定により、2016年国家試験では総受験者数152,573人から翌2018年は76,323人と、一気に半減しています。

これは無理も無いです。実務者研修の受講には、通信制スクールであっても、当時15万円程度(2019年現在は10万円程度が相場)の受講費用が必要かつ、10日程度のスクーリング参加が必要でした。当然、スクーリング参加にあたっては仕事を休んでの参加となり、介護福祉士を受験する権利のために忙しい現場を抜けてまで 取り組むのはちょっと・・・という方が多かったのでしょう。

実務者研修は実際どうなの?大変?

私は2014年(平成26年)、実務者研修を修了しました。当時と今では状況もかなり違いますが、感想は「会社の理解があるかどうかは大きいな-」ということです。

研修費用(約10万円)を会社負担してくれたり、研修そのものを業務として参加させる事業所も有ります。

何故会社によってそんなに違いがあるの?

そもそも、介護福祉士は「名称独占」であり、業務独占ではありません。これはどういうことかというと、介護福祉士が無いと介護の仕事ができないということは無いのです。では何故介護福祉士を皆目指すのでしょうか?資格手当が付くから((給料が上がるから)上司から言われてと言った理由の方が多いのでは無いでしょうか。

実は、有資格者(介護福祉士)の確保は介護事業主にとって大きな意味を持ちます。

例えばデイサービス、特養と言った介護事業においては、介護職員のうち資格を持った職員の割合が高い事業者に対して、より高い報酬が支払われる仕組み(加算)があります。この加算は、更にややこしいことに、他の加算を取得するための条件になっていたりもします。

有資格者の処遇は今後更に上がるかも?

第168回介護給付費分会の資料で、新たな「介護職員等特定処遇改善加算」が創設されています。(2019年10月から適用予定)

かなりボリュームがあり、複雑な内容のため、あらためて解説を行いたいと考えていますが、介護福祉士という資格の持つ価値が大きく上がる可能性があると思います。

「他の介護職員などの処遇改善にこの処遇改善の収⼊を充てることができるよう柔軟な運⽤を認めることを前提に、介 護サービス事業所における勤続年数10年以上の介護福祉⼠について⽉額平均8万円相当の処遇改善を⾏うことを 算定根拠に、公費1000億円程度を投じ、処遇改善を⾏う。」 ・ 「消費税率の引上げに伴う報酬改定において対応し、2019年10⽉から実施する」 とされており、これに基づき、2019年10⽉から、介護職員に更なる処遇改善を図ることとしている。

引用元:社保審-介護給付費分科会 第161回(H30.9.5) 資料2

実際に8万上がるのか?という点ですが、今後のQ&Aの発出などを注視していく必要がありますね。。改定の動向も含め、また投稿していきたいと思います。

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