2018年度(第31回)社会福祉士国家試験過去問解説 第141問 障害児の社会資源
問題141 事例を読んで,Hちゃんが利用するサービスとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Hちゃん( 3 歳)が交通事故に遭い,下肢に障害を有する状態となった。退院するに当たり,医療相談室のソーシャルワーカーが家族面接を行い,肢体不自由のある子どものリハビリテーションに対応したサービスを利用していくことが確認された。引用元: 第31回(平成30年度)社会福祉士国家試験 試験問題
1 養育支援訪問事業
2 放課後等デイサービス
3 児童自立生活援助事業
4 養育医療
5 医療型児童発達支援
事例問題だが、実質的には知識を問う問題
事例問題です。社会福祉士試験の事例問題はボーナス問題であることが多いですが、この問題は実際は知識を問う問題で、社会資源の内容を理解していないといけないです。
今回の問題のポイントは、
- Hちゃんは3歳であること
- 障害(肢体不自由)を有する状態であること
- リハビリテーションを目的としていること
です。
5 医療型児童発達支援
以上のことから考えると、あてはまるのは医療型児童発達支援となります。
上肢、下肢または体幹の機能の障害のある児童に対する児童発達支援及び治療(医療型児童発達支援)
出所:WAMNET
なお、この問題に出てくる社会資源は、全部この機会に把握しておく、というような構えでのぞまないと、過去問を解く意味は無いと言っても過言では無いです。
1 養育支援訪問事業
養育支援が特に必要であると判断した家庭に対し、保健師・助産師・保育士等がその居宅を訪問し、養育に関する指導、助言等を行うことにより、当該家庭の適切な養育の実施を確保することを目的とする。
出所:養育支援訪問事業ガイドライン
厚労省のガイドラインが示されているため、ご参照ください。
2 放課後等デイサービス
○4 この法律で、放課後等デイサービスとは、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校(幼稚園及び大学を除く。)に就学している障害児につき、授業の終了後又は休業日に児童発達支援センターその他の厚生労働省令で定める施設に通わせ、生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進その他の便宜を供与することをいう。
出所:児童福祉法第六条の二の二
おそらく放課後等デイを選んだ人はいないのではないかと思うのですが、念のため。
学校教育法に規定する学校(幼稚園を除く)とされていますので、対象者は就学児童です。
つまり、3歳のHちゃんが放デイを利用することはできません。
3 児童自立生活援助事業
第六条の三 この法律で、児童自立生活援助事業とは、次に掲げる者に対しこれらの者が共同生活を営むべき住居における相談その他の日常生活上の援助及び生活指導並びに就業の支援(以下「児童自立生活援助」という。)を行い、あわせて児童自立生活援助の実施を解除された者に対し相談その他の援助を行う事業をいう。
出所:児童福祉法
一 義務教育を終了した児童又は児童以外の満二十歳に満たない者であつて、措置解除者等(第二十七条第一項第三号に規定する措置(政令で定めるものに限る。)を解除された者その他政令で定める者をいう。次号において同じ。)であるもの(以下「満二十歳未満義務教育終了児童等」という。)
二 学校教育法第五十条に規定する高等学校の生徒、同法第八十三条に規定する大学の学生その他の厚生労働省令で定める者であつて、満二十歳に達した日から満二十二歳に達する日の属する年度の末日までの間にあるもの(満二十歳に達する日の前日において児童自立生活援助が行われていた満二十歳未満義務教育終了児童等であつたものに限る。)のうち、措置解除者等であるもの(以下「満二十歳以上義務教育終了児童等」という。)
児童自立生活援助事業は、上記のような施設となり、本問題とは全くマッチしません。
4 養育医療
養育医療とは、いわゆる未熟児として出生し、出生直後から継続して入院養育が必要である児童に対して、医療費等の支給を行う事業です。 正直言って、この制度は知りませんでした。