2018年度(第31回)社会福祉士国家試験過去問解説 第101問 ナラティブ・アプローチ

問題101 事例を読んで,この場面におけるナラティブ・アプローチに基づくA生活相談員(社会福祉士)の応答として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
〔事 例〕
Bさん(85 歳,男性)は,特別養護老人ホームに入所している。妻は10 年前に亡くなっており,子どももいないため身寄りがない。Bさんは,話し相手もおらず,部屋に閉じ籠もりがちである。ある時,A生活相談員に対して,「生きていても仕方がない。早くお迎えがくればいいのに」と語った。


1 「そのような悲しいことは言わないでください」
2 「何があなたをそのような気持ちにさせるのか教えてください」
3 「奥さんの死がBさんの孤独を深めているのかもしれません」
4 「グループ活動に積極的に参加するといいと思います」
5 「この先,きっといいこともありますよ」

引用元: 第31回(平成30年度)社会福祉士国家試験 試験問題

事例問題 ナラティブアプローチ

事例問題です。選択肢を見てみると、どれもあながち間違ったことは言っていないように見えるかも知れませんね。日常会話レベルであれば、どれも普通にありそうな感じです。しかし、それでは試験問題になりません。ポイントは問題文の ”ナラティブ・アプローチに基づくA生活相談員(社会福祉士)の応答”として、適切な物を選択することを求めています。

ナラティブは、物語るといった様な意味です。よくテレビなどで使われるナレーション(naration)は、直訳すると物語という意味なので、関連付けると覚え安いのでは無いでしょうか?クライエントの語り、ドミナントストーリーを聞き取っていくのがナラティブアプローチです。公認心理師試験でも問われてくる内容ですね(ナラティブセラピー)。

  2 「何があなたをそのような気持ちにさせるのか教えてください」 

したがって、クライエントの語りを引き出していくような関わりが求められてきます。そのような条件に当てはまるのは、選択肢2のみですね。

 1 「そのような悲しいことは言わないでください」
 3 「奥さんの死がBさんの孤独を深めているのかもしれません」
 4 「グループ活動に積極的に参加するといいと思います」
 5 「この先,きっといいこともありますよ」 

その他の4つ、これらの選択肢は全て誤りとなります。

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