2018年度(第31回)社会福祉士国家試験過去問解説 第91問 社会福祉士の業務

問題91 社会福祉士及び介護福祉士法に規定されている社会福祉士に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。


1 相談援助に関する知識と技能の向上に努めなければならない。
2 診療の補助として喀痰吸引業務を行うことができる。
3 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し,その結果を分析することを業とする。
4 資格更新のため所定の講習を受講しなければならない。
5 相談援助の業務を独占的に行う。


引用元: 第31回(平成30年度)社会福祉士国家試験 試験問題

社会福祉士の職務について

社会福祉士の職務内容についての出題です。非常に簡単な問題かと思いますが、その他の選択肢の中身もしっかり復習したいところです。

  1 相談援助に関する知識と技能の向上に努めなければならない。 

いきなりですが、これが正解です。 社会福祉士及び介護福祉士法においては、下記のように規定されています。

(資質向上の責務)
第四十七条の二 社会福祉士又は介護福祉士は、社会福祉及び介護を取り巻く環境の変化による業務の内容の変化に適応するため、相談援助又は介護等に関する知識及び技能の向上に努めなければならない。

引用: 社会福祉士及び介護福祉士法

いわゆる資質向上について。社会福祉士は更新制等が有りませんが、社会福祉制度等はどんどん制度改正が行われていきます。継続的な知識・技能の向上が法に定められており、実際現任者として仕事をしていく中では、知識をアップデートしていかないと仕事にならないです。なお、社会福祉士は名称独占であって、業務独占では無いこともよく出題されるポイントかと思います。

 4 資格更新のため所定の講習を受講しなければならない。
 5 相談援助の業務を独占的に行う。 

前述のように、この選択肢はいずれも誤りです。

(名称の使用制限)
第四十八条 社会福祉士でない者は、社会福祉士という名称を使用してはならない。
2 介護福祉士でない者は、介護福祉士という名称を使用してはならない。

引用: 社会福祉士及び介護福祉士法

その他の選択肢について

他の選択肢を見ていきましょう。

 2 診療の補助として喀痰吸引業務を行うことができる。

診療の補助として喀痰吸引が認められているのは、介護福祉士です。

(保健師助産師看護師法との関係)
第四十八条の二 介護福祉士は、保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第三十一条第一項及び第三十二条の規定にかかわらず、診療の補助として喀痰吸引等を行うことを業とすることができる。

引用: 社会福祉士及び介護福祉士法
 3 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し,その結果を分析することを業とする。 

これは、このHPでも散々話題にしている公認心理師です。

(定義)
第二条 この法律において「公認心理師」とは、第二十八条の登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいう。
 一 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること。
 二 心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
 三 心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
 四 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと。

引用:公認心理師法
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